hiro's football report

国内外、カテゴリー問わなずサッカーのマッチレポート風なものを掲載

【2022 ACL GL3節】シドニーFC vs 横浜F・マリノス

スタメン

シドニーFC

  • 前節から4人の先発メンバーを変更
  • グラントが何かしらの理由で離脱中

横浜F・マリノス

  • 前節から9人の先発メンバーを変更
  • A.ロペスとエウベルが外国籍の関係でメンバー外

自分たちのサッカーを表現するための立ち位置

  • パスを円滑に回すため、各々高い位置や外側の位置を取る
  • 密集から相手を崩せることも
  • 代償として、即時奪回できなければ背後のスペースを使われてしまう
  • このやり取りが頻繁にあったので、互いに縦へ間延びする状態が多くなる

 マリノスのサッカーは、自分たちが動いて相手を動かすもの。パスコースの選択肢を増やすため、サイドバックボランチの動く意識が高かったように感じました。特に高い位置へのランニングが目立った印象です。

 しかしネガトラ時の切り替えが遅く、即時奪回の成功率が低くなりがちでした。そうなると晒されるのは背後のスペースです。いなくなったサイドバックの背後を入口に、シドニーは幾度となくカウンターを仕掛けてきました。マリノス左サイドが多かったのは、ブハイアーが右斜めに流れることと、相手右サイドに推進力があってパス精度の高いアミニがいた関係だと思います。(決して永戸が特別悪かったわけではないです)

 シドニーのカウンターは2トップと両翼が主な攻撃者。ボランチや4バックは1つタイミングが遅れて上がることになります。そのため、マリノスがカウンターを防いで盤面をひっくり返しても、相手は既に構えている状態。効果的なカウンターが打ちづらくなります。互いに縦に間延びしているのに、マリノスだけゴールに近づけなかったのはこれが理由でしょう。基本的にこの構図が1試合続くことになります。

背中で語る男と、触発される途中出場者たち

いつも通り走るマルコス

  • フリックやワンツーなど、1タッチでのプレーを強く意識
  • 縦に早くて長いボールを出すことも
  • 左右へ頻繁に動き回り、ボールを引き出そうとする
  • プレス時に2度追いは当たり前と言わんばかりに走り回る
  • この気候やピッチの中、いつも通りのプレーを60分まで続ける

 気温と湿度が高い環境、凸凹なピッチ状態。そんな中、ほとんどの選手がいつも通り走ることができませんでした。しかしこの日先発したマルコスは、国内にいたときと同じようにプレーしていました

www.footballchannel.jp

 ここまで2試合連続途中出場のマルコスは「次の試合はぜひとも、個人的にはできればスタメンで出たいという思いがある」と先発起用を訴える。22日のシドニーFC戦でこの願いが届くだろうか。もっと時間が欲しい、もっとプレーしたい、何としても勝利に貢献したいという彼の飢えにも似た強い意欲は十分に伝わってきた。グループステージ突破に向けて絶対に落とせない一戦で、背番号10のチームを勝利に導く活躍に期待したい。

 忌憚のない要求に少し驚きましたが、誰よりもチームに貢献したい思いがあったのでしょう。いつも通りのペースで走り回る姿を見て、「これは前半30分くらいでガクッと運動量が落ちるのでは…」と筆者は思っていました。しかし60分の交代まで、動きやプレーの質を落とすことなく走り切りました。まさに言葉通りの活躍を示したのです。

 こういった動きを続けたのが彼一人だけだったので、良くも悪くも目立ってしまいました。味方とパスのタイミングが合わない。他の人が連動しないので、プレスが空転するなど、悪い面に働くことも。なぜここに走ってないのか。なぜプレスをかけないのか。味方に要求するようなアクションも見られましたが、それ以上に自身のプレーで姿勢を示していたように思いますマリノスでプレーするというのは、こういうことなのかもしれません。

力と勇気を与えた途中出場選手たち

  • 途中出場した選手たちが多く走ることで、攻守両面が活性化
  • 疲労が見える相手を置き去りにしてチャンスを作る
  • 瞬発的な走りも見せ、マリノスらしいローリングを見せることも

--きっ抗していた展開で途中出場した中、ケヴィン マスカット監督からの指示を教えてください。

流れを変えるのと、みんなにパワーを与えるプレーをしてくれ」とは言っていました。いつもそうですけど、やっぱり(途中から)出た選手たちがどれだけ中の選手たちの気持ちの部分も変えられるかがすごく大事になってきます。そういう意味では、僕たちは(同タイミングで)2人入りましたけど、そこでちょっと雰囲気を変えることができたので良かったかなと感じています。

 水沼がこのようにコメントしていました。先に交代していた角田、西村。そして後に交代した水沼と岩田。いずれの選手も精力的に走っていることが印象的でした。闇雲に動くのではなく、きちんと相手を動かすマリノスらしさも忘れていません。

 シドニーはアクシデントで両サイドバックを替えましたが、ここの差が出たように思います。攻撃により圧力をかけられたのがマリノスだったので、以後チャンスを生み続けられました。彼らがここまで走れたのも、マルコスのプレーを見ていたからかもしれません。

--選手交代でギアが上がりました。評価をお願いします。

日頃から選手たちには「誰が出てもいい状態にしよう」と伝えています。そして、交代で入った選手がどれだけチームのコンディションを上げられるかが重要です。いわゆる底上げです。その意味で一人ひとりがアグレッシブにプレーしてくれて、良い影響をチームに与えてくれました

 ケヴィンのコメントからも、交代選手たちが強いエネルギーをチームにもたらしたと感じているようです。他の選手たちに引きずられていいプレーができる状態を、選手交代によって作り上げること。過酷な状況で行われる短期決戦では重要なことだと思います。

スタッツ

sofascore

www.sofascore.com

AFC公式

www.the-afc.com

Jリーグ公式

www.jleague.jp

所感

気候に慣れてきたかもしれない

--短期間のスケジュールが大変だと思います。

正直、オプションを見つけるのが大変でした。自分たちのサッカーをやるのは簡単ではありません。試合間隔が短い中、ローテーションをして、フレッシュな選手を準備してきました。自分たちだけでなく、相手を含めて簡単には事が進みませんが、自分たちは試合を重ねるごとにコンディションは上がっていると感じています。内容も断然上がり、良いパフォーマンスができました。

 実際、初戦では足をつっていたエドゥアルドやレオが最後までプレーできました。ケヴィンのコメントはその通りだと思います。

--今大会初先発でした。意識したことやトライしようと考えていたことはありますか?

まずは前のほうでボールに関わりたかったのですが、コンディション面も含めてもう少し上げないといけません。最後のところに関わる回数が少なく、もう少し攻撃で違いを出していかなければと感じました。

 ただ、皓太はまだコンディションを上げていかないと辛いと感じているようです。ある程度自分たちのサッカーが表現できるようになったけど、思い描いた戦いができるまでもう少しかかるのでしょう。

 マルコスのように走れる選手も出てきました。グループリーグも折り返しに差し掛かったので、ここからもっとスピードを上げたプレーに期待がかかります。凸凹なピッチと、軽いボールにそろそろ慣れてほしいと思いつつ、この日程だとリカバリーしかできないしなぁ…というのがもどかしいですね。