【2021 J1 第6話】長男だから我慢できた
忍耐強さを求めるボス
さて、今日はみんなに我慢強さを求めようかと思う。去年はどんどん前に突っ込むやり方をしていたが、今回は相手のやり方を利用しよう。
相手のやり方というと、前から人を決めてアタックしてくることでしょうか?
そう、それだ!相手はこちらに合わせてピッタリとついてくるはず。しかしあのやり方は最後までもつものではない。そんなことできる人間はいい意味で化け物だよ。
なので、相手が疲れるまでこちらは勝負を仕掛けない。しばらくは落ち着いた展開を目指すんだ。相手が疲れてからが本番。足の動かないのを後目に一気呵成に攻めかかろう!
ということなら、相手が疲れるまでこちらは引きこもってやり過ごすということですかね?
違う!そんなのは自分たちのサッカーじゃない!!
違った…!?しかも怒られた…
失点のリスクを減らすだけで、得点の手を緩めるつもりはない。相手がピッタリつくことを利用し、自分たちの方へ引っ張っちゃおう。そして前線の選手たちは前に構える。するとどうなるだろう?
相手の選手たちが前と後ろでクッキリ分かれますね。そうか、自分たちについてくるということは、相手を誘導できということでもあるんですね。
間が空くってことは、俺の大好きな場所が増えるってことだよな。
おっと、俺もそういうの得意だって忘れて貰っちゃ困るぜ。
そういういことだ。君たち2人の好きな場所が空くので、そこを使って攻撃してくれ。
そこで受けるのも1対1になるはず。そう、漢同士のぶつかり合いだ!そこで勝てれば大チャンスになる。なるべく速く仕留めるんだ。
そうなると俺たちも上がって分厚い攻撃を仕掛ける感じですよね。
いや、君たちの上がりは控えてほしい。相手のカウンターは厄介だ。なるべく不利な状況を作りたくない。
まぁ、確実に攻撃できそうなら顔を出してもいいでしょ。
反撃は後半深い時間帯からだ。そのときになったら私からわかりやすい合図を送る。みんなそれまで落ち着いて試合を進めるように!!
走り回る札幌の選手たち
- 下がるマリノス選手たちにつく札幌選手たちは長距離走ることに
- しかし前線の選手たちは動かないので、後ろは動けず
- マルコスとオナイウの大好物ができあがる
- 彼らがそこに下がるので、宮澤やミンテはめっちゃシャトルランさせられる
さて、俺たちは後ろで回しますか。これで相手がどれだけくるか様子見かな。
おお!ほんとに食いついてくるんだな。俺らが低い位置だと相手は大変だろうな。
いけー!俺らは相手にピッタリついていくんだ!各自担当を離すなよ。
こいつらめっちゃ下がるな。その分走る距離伸びてちょっとしんど…
下がったマリノス相手についてきた札幌。ボスの予想通りですね。それならどんどん相手を引き込んじゃいましょう。
ちょっと違和感を持ちつつ、チームのルールに従う札幌選手たち。長い距離を走り回るのは少ししんどそうですね。
おー、すげー。ほんとに間が割れたよ。ここは絶好のスポットだな。
これなら俺も得意な位置でプレーできるな。どんどんボールを受けるぞー!
俺らのマーク相手やたら下りるな。まぁそれでもついてくけどさ。
一番後ろの選手だけどこんな前に出るのか…俺らのシャトルランちょっとエグくない?
マルコスとオナイウがめっちゃ下りるので、それについてく宮澤とミンテは大変。札幌選手たちの中でも屈指の距離シャトルランだったでしょう。ドレミファソラシドがトラウマになりそう…
そんなこんなで前半が終了。マリノスが安全に試合を運ぶことに成功し、0-0のスコアで折り返します。さぁ、勝負の時間はいつになるのでしょうか。
焦らずに虎視眈々と
予定通りに試合を運べたマリノス。しかし、後半早々コーナーキックから失点してしまいました。
やばいよ、やばいよ。先に失点しちゃった。すぐ点取って試合を振り出しにしないと…
そんな感じで焦ってたのが今までの俺たちだが、今日は一味違うぜ!
ねー。今日は焦ることないのよ。だって反撃の機会は絶対くるってボス言ってたもん。焦れずにそのときを待つ。俺らも大人になったんだぜ。
点を取られるとあたふた。焦って攻撃するも、陣形が崩れて失点を重ねる。あの頃は若かった…そう思えるほど、今のマリノスは大人に成長。ボスの言いつけを守り、虎視眈々と反撃の機会を伺います。
よし、みんな慌てず堪えてくれてるな。こいつらも成長したな…と、しみじみしてる場合じゃないか。そろそろ相手も疲れてきただろう。
後半70分ほどから札幌選手たちの足が止まり始めます。「ここだ!」ということで、ボスから合図が送られます。それは、選手交代によるメッセージです。
お、純くんをボランチに入れるんだ。てっきりマルコスの場所だと思ってた。これけっこう攻撃的よね。ということは‥‥いっちゃっていい感じですかね!
「我慢する時間はここまでだ」そんなボスのメッセージが通じたようです。ここから一気呵成に攻め立てるマリノスの選手たち。この時間帯でも先手を取れる走力に脱帽です。札幌の選手たちはヒーヒー言うハメに…
疲れた相手を後目に素早く動いて先手を取る
あいつらまだ走れるのかよ…こっちはもう限界だって…
ひえー!もう攻撃するだけでいっぱいいっぱいだよ…
よし、ボール奪ったな。攻撃攻撃。ササーっと上がっちゃうよー!
交代で入った俺はまだまだ元気。相手を置き去りにしちゃうもんね!
疲れて戻れない札幌。まだまだこれからなマリノス。ここからが俺たちのショータイムだ!ようやく訪れたマリノスのターン。ここぞとばかりに攻め込み、勢いそのまま逆転!まさに狙い通りの試合でした。
ボスからしたら計画通りといったところでしょう。だからこそ交代選手が活躍しましたし、ゴールのときあれだけ喜んでいたのだと思います。いやぁ、いい試合だった!大人の階段、ちょっと登りましたね!