【2022 ACL】シドニーFCの特徴と傾向
ベースシステム
2019シーズンの情報
前回ACLに出場したときに2019シーズンをまとめてありますので、こちらも掲載します。
今季のベースシステム
- 一貫して4-4-2の布陣
- 主な得点方法はクロスから
- ゲームメーカーのブラッタンは十字靭帯負傷により長期離脱中
- 今冬に左サイドバックのキングが移籍するが、タルボットが大活躍
オーソドックスな4-4-2を組むシドニー。基本的な印象は前回対戦時と同じになります。今シーズンも残すところ数試合という佳境ですが、4月2日現在は7勝7分7敗の5位。29得点27失点と、得点が取れていない状態です。
苦戦の要因は司令塔であるブラッタンの長期離脱でしょう。十字靭帯損傷により、今季は出場が0試合。後述しますが、その影響から、得点はほとんどがクロスから。サイドの選手より供給されるボールが生命線になっています。
2トップはル フォンドルは固定で、相方は調子のいい選手が出場します。スピードが売りのカンソバ。アシストもできる万能型のブハイアー。裏抜けが得意なバルバローゼスあたりになります。あとは右サイドアタッカーとレトレの相方が変わるくらい。それ以外は固定気味のチームです。
リーグ戦の全得点から見られる傾向(21/22シーズン)
得点方法
- ほとんどの得点がクロスから生まれている
- 次点でカウンターによる得点が多い
- クロスが主得点源というより、他の手段で点が取れていない
ロングカウンターによる得点
ショートカウンターによる得点
クロスによる得点が17点。2019年集計時は19点だったので、特別増えたわけではありません。しかしクロスによる得点割合が多く占めているのは、前述したブラッタン負傷による影響でしょう。グラントという優秀なクロッサーがいるので、元々あった強みが相対的に表れた形です。
それ以外はカウンターからの得点が目立ちます。サイドアタッカーのバージェス、フォワードのカンソバやブハイアーはスピードがあります。彼らを中心としたカウンターはシドニーの武器です。
セットプレーからの得点が多くないのは、キッカーに恵まれていないから。ここもブラッタンが帰ってくると変わるはずですが、少なくとも予選には間に合わない見込みです。
得点者とアシスト者
今季の得点が伸び悩んでいるのは、得点者がまばらなことに表れているでしょう。ボボ、ブハイアー、ル フォンドル、カンソバがフォワードの選手。カセレス、ニンコヴィッチ、バージェスがサイドアタッカーになります。前線の選手が得点しているあたりに、明確な役割を感じます。
クロス関連について
- ローポストから中央やファーで合わせたものがほとんど
- グラウンダーのボールを足で合わせる形が多い
- この傾向は2019年とほとんど変わらない
バージェスのクロス(SHのクロス)
グラントのクロス(SBのクロス)
ブハイアーのクロス(FWのクロス)
スピードにものを言わせ、サイド深くをえぐるタイプがバージェスとタルボット。味方と連携して少し浅い位置から正確なクロスを入れるグラント。最前線から斜めに外へ流れてクロスを上げるブハイアー。
上げ方は主に3種類ですが、クロスは一貫してサイド深くから低いボールを入れています。このボールがニアに入ることは少なく、中央かファーにいる選手へ折り返す形になります。
リーグ戦の全失点から見られる傾向(21/22シーズン)
失点方法
- ミドルシュートやドリブルからの失点が目立つ
- カウンターからの失点も一定数ある
ミドルシュートによる失点
ミドルシュートによる失点が多いのは、ディフェンスラインと中盤の帰陣速度が違うから。最終ラインの戻りが早い反面、中盤は遅い。なのでライン間が開き、自由にスペースを使われてしまう。ドリブルからの失点にも同様なことが言えます。
カウンターからの失点はビルドアップミスによるものがほとんど。ただし、顕著になっているのは守備陣のスピード不足もあります。
クロス関連について
- ある程度サイドをえぐられてのクロスが苦手
- 中央で合わせられたものがほとんど
- 高さやシュート位置はほぼイーブン
- 失点に関しても2019年とほとんど同じ傾向
クロスからの失点
クロスに対してはボールウォッチャーになりやすい傾向があります。これは球種や位置を問いません。中盤の戻りが甘いので、ボランチが最終ラインに吸収されると簡単にマイナスが空くのもポイント。
得失点の時間別割合
- 得点は後半真ん中が多い
- 失点は前半終了間際か後半頭が多い
各種リンク
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21/22シーズンのAリーグハイライトになります。